スィミア 第一章‐1

第一章 アシュレッド・ベルリアス

「・・・ではこの問題を――、ベルリアス君」

え。
無理。

「言わなくても分かるぞ、おまえ分かんないんだろ」
「だろーなぁ。アルは魔術の成績は学校一を争うほどだけど、他の勉強は並の生徒とそんなに変わらないもんな」
「う、うるさいな!これくらいバカでも解けるさ!」
「あ、言ったな?んじゃ、これ解けなかったらおまえはバカ以下ってことで」
「なんでそーなるんだよ!」
「はいはい、そこまで。全く、君らが騒ぎ始めると授業が進まないじゃないか。もういいから二人共座りなさい」
「「はぁーい」」
「では、授業を進める。今のでベルリアス君が最初から寝ていたことが判明したから、もう一度説明するぞ」

 この世界の大地は、三日月のような形をした大陸と2つの島に4つの国があり、それらを囲む5つの海で構成されている。
 4つの国は、北のノース、東のイースト、西のウエスト、南のサウスのことを指す。北国と東国と西国はムーン大陸として国境が繋がっているが、南国だけは島国として南のユエス海に浮かんでいる。
 5つの海は各国の海辺に広がる海のことを指す。北にはスアイ海、東にはリース海、西にはサンサ海、南にはユエス海、そして中央にはミスト海がある。中央のミスト海はどの国にも接しているので、貿易船がよくそこを利用するときがある。
 ミスト海には小さな小島が浮かんでいるが、その小島については今だにほとんど情報がなく、探るために上陸した研究員は一人も帰って来ていないと言われており、謎だらけの状態である。ただ今のところ分かっているのが、その島にも人が住んでおり、フォアという独立国があるらしい。近年からは間国と書かれるようになった。
 間国はまだ国として認められていないので、“一応国”として扱われている。その間国がある小島は、年中北の方だけ黒い雲がかかっており、ずっと雨が降っていると予測されている。
 今はどこの国からも上陸しようという人は出てきていない。
 しかし、誰も何も知らないこんな小島を、国が黙ってほうっておくわけがない。いつか、小島もどこかの国の領地にされるかもしれない。

「・・・ここまで一気に説明したが、分からないことがある者はいるか?」
一人の生徒が手を挙げた。
「せんせー、世界の中心にある間国って、“あの”伝説とかと何か関係あるんですか?」
「良い質問だな。そのとうりだ。では今から間国について説明しよう」

 この世界のほぼ中心に位置する間国。最近の研究からの噂では、その間国とこの地に伝わる伝説はとても重要な関係があるとされている。“あの”伝説に出てきた天からやってきた少年は、間国に上陸して、我々にはない特種な文明を発達させたに違いない。研究者たちはそう仮定している。
 しかし、それはあくまで仮定なので、真実ではない。
 仮定を我こそが証明しようと調査に向かった研究員は、間国に向かったきり、安否が確認されていない。間国に監禁されているか、殺されているかと考えられている。そのため、我々が入手している間国についての情報はほとんどないといってよい。

「つまり、我々は間国について知ることはもっと先のことになるのかもしれないな」
「先生は間国に行こうと思わないんですか?」
「・・・ベルリアス君?その質問は違う意味でとらえると、私に死んで来いと言っているように聞こえるのだが・・・?」
「俺が言ったことがすべてふざけてるとか思わないでください。一応真面目に質問してます」
「そうか。うーん、そうだね。私は間国のことはもっと知りたいと思うが、自分で確かめるとなると、少し戸惑うな」
「じゃぁアルがいってこいよ!」
「ちょ、おまっ、絶対死ねって思ってるだろ!」
「さぁ、どうかな?」
「こいつ・・・!」
「はいはいはいh(ry、では今日の授業は以上とする。解散!」
「アル、悔しかったら頭脳で俺らに勝ってみな!」
「そーだそーだぁ!」
「てめーら・・・後で覚えとけよ!!」

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☆あとがき☆

読んでくださりありがとうございます!
そして、お疲れ様です←
長文でごめんなさい(笑)

第一章からは少しずつ分割しながらうpしていきたいと思います!
なんかいつも予告より早めにうpできちゃってるのはもう気にしないくださいww←

さー、自分で読み返すと、なんという国語力のなさ!!ww
もうちょっと国語真面目に勉強すべきだったかなぁ・・w←え

というわけで、次回もお楽しみに!!